友人やお世話になった方が入院したと聞いた場合、その親密さとお世話になった程度や内容によっては、すぐにでも駆け付けたい、と言うのが心情だと思うのですが、入院している人の立場で考えると、手術や検査で病室を空けている場合もあり、先ずはご家族へ連絡を入れて、病名や入院期間、手術の有無、今の病状などをお伺いし、予定している日時を伝え、ご了解を得るのが、お見舞いへの最低限守るべきマナーだと言えます。
このマナーを手抜きして、安易に病院へ電話して、病室の部屋番号などを教えてもらおうと思う人が居るかも知れませんが、しっかりした病院なら守秘義務が徹底されているため、本当に家族だとしても、病室の番号どころか、入院しているかどうかについても、本人確認が出来ない電話では、一切教えてはもらえません。
また、取りあえず病院に駆け付けた場合でも、面会時間外は受け付けてもらえませんし、病状により面会が制限されている場合や、ご本人より面会拒否の要望が病院側に示されている時も有ります。
こう言う想定外の事態を避けるためにも、出来れば本人、無理なら家族への事前の了解は、やはり取るべきでしょう。
さて、本人や家族に事前の了解を得て、面会時間内で所定の面会受付の手続きを済ませれば、面会許可証を手渡され、病室を教えてもらい、無事に面会が出来ますが、病室へ入る前は、必ず備え付けの消毒剤で手指の消毒を忘れずに入室しましょう。
その日体調に不安を感じる場合は、自身の感染予防にもなり、見舞う方への配慮にもなるので、病院へ入る前からマスクの着用をお勧めします。
また、お見舞いに手ぶらと言う訳には行かず、何か気の利いた物を持参したい、と言う思いは分かるのですが、何でも気持ちが込もっていれば良いとは言えないので注意しましょう。
先ずお花は無難と思いがちですが、生花を禁止している病院もあり事前の確認を忘れずに、また鉢植えは絶対NGですし、赤や白色のお花や、匂いの強いお花も避けましょう。
最近は、切花よりお水を替える手間の掛からない、ドライフラワーやブリザードフラワーを選んで持参する方も多い様です。
食べ物は、食事制限がされている場合はNGなので、この場合も、事前の確認が必要です。
制限が無い場合、個別に器や袋に入っているデザート類は、手軽に食べられ喜ばれる様ですが、生のフルーツは皮を剥く必要がある物もあり、その大きさや量によっては、ご家族などに持ち帰りなどで負担をかける場合もあるので注意しましょう。
その他の物では、病状にも依りますが、疲れない程度の短編小説や漫画、雑誌なども喜ばれる様です。
またお見舞い金については、目上の方に対してはNGなので注意しましょう。
そして渡す際は、のし袋は使用せず、一般の白い封筒に入れて、表に「お見舞い」と書き、その下に名前を明記して渡しましょう。
金額については、その関係性や立場、お付き合いの程度にも依りますが、家族に負担を感じさせない程度に抑えるのが無難でしょう。