私の祖母が乳がんで入院した時、拘束をするのに許可がいるので、家族の署名をもらいたいということを言われました。拘束と言っても手足を縛るわけではなく、患者さんが部屋を出ようとしたら、それがわかるように足元のセンサーがナースコールにつながるというものです。これも拘束に当たるそうで、私は署名をしました。
これは働き始めて間もないころで、親は仕事だったため私が署名をしました。勝手に良いのかと少し思いましたが、それくらいの拘束であれば大丈夫だろうと名前を書きました。
このように、家族が入院すると、こんなシステムもあるのだ、と新しく知らされることがありました。そして同時に、私が家族の責任を取ることにもなるんだと、大人になったことを知らされました。できればあまり経験したくないことですが、これで少し家族を守らなきゃとしっかりしたと思います。いつまでも守られている立場ではいけないと学んだのは、あの病院だったのかもしれません。