5歳年上の姉が乳がんになったと聞かされた時は正直あまりのショックで頭が真っ白になりそのあとにどのような話をしたかも記憶に無いぐらいに動揺していました。幸い初期のステージ1ということだったので結果的には命に別状がなかったのですが、それでも抗がん剤の投与によって日々体力を落としてボロボロになっていく姉の様子を見ていると本当に胸が張り裂けそうになるぐらいに辛い思いをしました。私だけでなく母も私以上に苦しんでいたのでは無いかと思います。

抗がん剤から手術へと治療がどんどん進むにつれて、姉も私たち家族もガンと共存していくことを少しずつ学んでいきました。ガンだからといって、引きこもっていたり気に病み過ぎていたりすると本当にガンに負けてしまうのです。ですからなるべく普通通りの生活をしていくことを心がけました。もちろん常に姉のガンについて頭の中を占めていることは事実ですが、その気持ちに支配されないようにするためにあえて一緒に姉と旅行を楽しんだり、ちょっとした山登りを楽しんだりという人生の時間を存分に楽しむ方向に力を注ぐようにしていました。

日々の暮らしを充実させていると、ガンについての余計なことを考えずにすむようになるのです。姉も治療から5年たち、一応は乳がんは完治宣言を医師からもらいましたのでホッとしています。でも今回の姉の乳がんの事で家族が一致団結して立ち向かえたことで姉のサポートもしっかりできて本当に良かったと思っています。